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夜着・夜具

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 布団には長方形の敷き布団と掛け布団がある。敷き布団をミノブトンといい、掛け布団をヨノブトンという。ミノとは三幅で、ヨノとは四幅で仕立てるところから呼ばれる。また、長着に綿を入れた夜着という掛け布団がある。これを小型にしたものをカイマキ、ドテラともいった。また子ども用は小夜着といった。布団が登場する前、長着を掛けて寝ていた時代の名残である。布団の仕立てには、フトンカワ(布団皮)といって縞や藍の型染めした木綿が使われた。布団の収納場所は押入もあったが、上下二段の戸棚の夜具入れに収納した。
 夜寝るときに着用する寝間着が一般に普及するのは、戦後になってからのことである。それまでは着古した浴衣や木綿の長着が寝間着になった。冬用にはネル、夏用に浴衣を着用した。嫁入り道具として自分たち夫婦の布団、夜着のほかに、客用の布団と夜着を一組から三組持参した。
 布団の洗濯は五年に一度くらい行い、綿を打ち返し、布団皮を洗濯するかまたは新調して作り替えた。