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〔化粧〕

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 今も昔も、女性が化粧をすることは大切な身だしなみの一つである。白粉、口紅、眉墨などで顔に化粧をするのは、余所行きや婚礼の時の花嫁衣装を着るときくらいで、嫁入りしてしばらくは化粧をしたが、普段農作業で忙しいときはほとんどすることはなかった。
 白粉には、煉り白粉と水白粉、粉白粉があった。煉り白粉は花嫁の化粧に多く使われ、粉白粉は普段叩く程度であり、また昭和の初め頃には水白粉が多く使われた。
 口紅は盃の入れ物や貝の入れ物に入って売られていた。紅筆もあったが、指につけて唇に塗った。口紅のついた指は紅指ともよばれ、薬指をさした。化粧品は近所の小間物屋で買ったり、仁井田や宝積寺から来た行商から購入した。