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目次
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第二章 着物・食べ物・住い
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第二節 食べ物
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一 普段の食事
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(一)食料
米麦の調製
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収穫した米や麦は、少量の場合は自宅で精製することもあったが、多くは地域の精米所を利用した。精米所では米麦の調製のほかにも米の粉や小麦粉、そば粉の製粉を行い、さらにはうどんの製造をするところも多く、うどん屋とも、また、水車を利用するところから、クルマ屋とも呼ばれた。
農家では、籾を玄米にするまでは自宅で行った。よく乾燥させておいた籾を納屋に設置したスルス(摺臼 石臼のこと)でひいて玄米にし、唐箕にかけてから精米所に持っていったもので、多くは八分づきの白米にしてもらった。精米の代価は米や現金で支払った。
大麦はクルマ屋に持っていくか、自宅の麦ツブシ機で押し麦にした。一方、小麦はクルマ屋で製粉してもらうか、うどんと交換した。代価は小麦で支払った。
図17 麦ツブシ機(町歴史民俗資料館蔵)