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 海の魚は祭や正月など特別な時に食べることが多く、普段は川魚が中心であった。
①川魚
 ナマズやウナギ、フナ、スナサビ〔和名:シマドジョウ〕、カジカ、ドジョウなどは自分で捕ることが多かった。ナマズは、三枚におろし、竹串にさしイロリで焼いて食べたり、骨を外して油で揚げたり、砂糖醤油で甘露煮にして食べた。魚を焼くヨウグシ(魚串)は、竹を割って削り作りためておいた。ウナギは蒲焼にした。カジカは四月から五月が時期で、焼いて醤油をつけて食べた。ドジョウは笊に入れ塩をふって泥を吐かせてから、綺麗に洗い、タマネギと卵でとじて柳川風にしたり、ゴボウのササガキと煮てドジョウ汁にしたり、小さなものは塩茹でにして食べた。フナは大きいものは串に剌してイロリで焼き、小さなものは塩茹でにした。スナサビは砂糖と塩で煮た。フナやスナサビなど小さな魚は塩茹でしたものを一ケ月ほど天日で干してよく乾燥させておくと、惣菜にも酒のつまみにもなった。タニシは代掻き時や稲刈り後の田んぼで捕った。捕ってきたタニシは洗って水に浸して泥を抜き、味噌汁に入れるか、殼ごと茹でて潰し、取り出した身を醤油で煮て食べた。
②海の魚
 イワシのホオドシ(頬通し)やカツオ、サバ、サンマ、マグロ、イカなどを買った。魚は塩漬けで買うことが多かったので、ほとんど焼いて食べた。サンマは生姜と砂糖で煮るときに梅干を入れると骨まで柔らかくなったという。暮れには正月準備として塩引サケやサガンボ(皮をむいた棒状のサメ)を買った。サガンボの煮付けを作った翌日は煮こごりができるのが楽しみだった。