餅つきは、臼と杵を用いて行われる。杵を持つつき手と介添えのコネドリで行なうが、つき手は力のある男性が、コネドリは女性が行なうことが多い。つき手の人数が一人づき、二人づきと増えるに従って短時間で早くつけるが、現在は一人づきが多い。餅を数えるときは、一回につく量をヒトウス(一臼)と数える。コネドリは均等につけるように途中で餅をひっくり返したり、水を打ったりする。まず臼の内側に餅が付かないようにお湯で少し湿らせておき、臼に蒸したてのもち米を入れる。最初はもち米が飛びはねないように、つき手が杵の先で米を静かに押しつぶす。餅状にまとまってきたら、コネドリが手で臼の中央にまとめ、つき手は杵を振り下ろすようにしてつき始める。途中何回か餅を返し、まんべんなくつく。つきあがった餅は、餅とり粉をまぶした伸し板にのせてたいらに伸したり、丸めたりする。餅とり粉は、現在は片栗粉を使用しているが、昔は水に浸したうるち米をひいたものを使用したという。
図20 餅つき(大谷)