ビューア該当ページ

団子

150 ~ 150 / 766ページ
 団子は、米粉を湯で捏ね、丸めて蒸かしたもので、小正月の繭玉団子、送り盆、十五夜、彼岸など、年中行事には度々登場するカワリモノである。普通はセイロで蒸かすが、少量の場合は鍋や釜でゆでてしまうこともある。食べ方は、あん団子にしたり、汁粉や雑煮にしたりする。
 小正月一四日の団子は、トリマデ団子とか、繭玉団子といい、米粉で紅白の団子や米俵、小判の形に作る。これを木の枝につきさし、松をさげたあとの神棚などに飾る。一方その日の晩に行われるドンド焼きであぶって食べたり、あるいは汁粉や団子雑煮にして食べた。なお繭玉団子をドンド焼きの火で焼いて食べると風邪をひかないといわれた。また、同じ一四日に、オムツラダンゴといい、大きく丸めた六個の団子を葉の付いた樫の木の枝やモチの本、ミズの本などに刺し神棚に供えることが行われる。オムツラダンゴとは、夜空にかがやくムツラボシ(六連星、つまり昴のこと)に由来するといわれる。一方、桑窪では葬式のさいに枕飯と一緒に死者の枕元におく六つの団子をオムツラダンゴといったが、こちらは仏教でいう六道にかかわるものである。
 彼岸の中日には米粉で白団子を作り、小豆あんや黄な粉をからんで食べる。下柏崎では、お帰り団子と称し、彼岸のしまいの墓参りにドンブリいっぱいの白団子をもって行き、墓の前に半紙を敷いて二個ずつ供えたという。

図25 オムツラダンゴ(大谷)