小正月一四日の団子は、トリマデ団子とか、繭玉団子といい、米粉で紅白の団子や米俵、小判の形に作る。これを木の枝につきさし、松をさげたあとの神棚などに飾る。一方その日の晩に行われるドンド焼きであぶって食べたり、あるいは汁粉や団子雑煮にして食べた。なお繭玉団子をドンド焼きの火で焼いて食べると風邪をひかないといわれた。また、同じ一四日に、オムツラダンゴといい、大きく丸めた六個の団子を葉の付いた樫の木の枝やモチの本、ミズの本などに刺し神棚に供えることが行われる。オムツラダンゴとは、夜空にかがやくムツラボシ(六連星、つまり昴のこと)に由来するといわれる。一方、桑窪では葬式のさいに枕飯と一緒に死者の枕元におく六つの団子をオムツラダンゴといったが、こちらは仏教でいう六道にかかわるものである。
彼岸の中日には米粉で白団子を作り、小豆あんや黄な粉をからんで食べる。下柏崎では、お帰り団子と称し、彼岸のしまいの墓参りにドンブリいっぱいの白団子をもって行き、墓の前に半紙を敷いて二個ずつ供えたという。
図25 オムツラダンゴ(大谷)