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饅頭

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 饅頭は、小麦粉に炭酸と砂糖水を加えて練った皮であんこをくるんでから、セイロなどで蒸したものである。炭酸を入れて皮をふっくらとさせることから炭酸饅頭ともいった。砂糖を大量に使うため、普段はあまり作らず、ハレの日の食べものとされた。
 盆のカマップタツイタチ(釜蓋朔日)には、炭酸饅頭を作った。桑窪では朝の草刈りのうちに饅頭を作って、神仏に供え、家族で朝飯がわりに食べた。残った饅頭はざるに入れ、饅頭がいたまないように涼しい井戸の中に吊るしておいた。また、夏のヒャクマンベン(百万遍)の夜は、子どもたちが家々を廻るので、炭酸饅頭やお金を配った。