生後七日目のお七夜には、赤子の出初めが行われた。この日は、家の内外にまつる神仏に赤子を連れて成長を祈願するものである。出初めの後行われる親戚や産婆を呼んでのお披露目では赤飯、煮魚、刺身、きんぴらゴボウ、煮しめ、酢のものなどを振る舞った。
食い初めは、赤子の生後一〇〇日から一二〇日頃に行われる。尾頭付きの煮干、里芋・大根・人参・ゴボウ・こんにゃく・さつま揚げ・生揚げなどを入れた煮しめ、吸い物、赤飯、それにきれいな石がのった膳を用意し、それらを赤子に食べさせる真似をした。石を膳にのせるのには、歯が丈夫になるようにとの意味が込められている。食い初めが済む頃から赤子の食事はじょじょに離乳食に移っていく。離乳時には粥やカボチャなどの野菜を柔らかく煮たものなど消化のよいものを食べさせた。
一才の誕生日を迎えると、タンジョウモチ(誕生餅)の祝いがある。お誕生ともいうこの儀式では、一升のもち米で十二個の丸餅を作り、重箱に入れて風呂敷に包み赤子に背負わせた。餅は嫁の実家や親戚に配った。
七五三では、神社に参拝したあとは、赤飯や汁もの、煮物などの料理を作り家族で祝った。