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〔漬物〕

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 漬物は、毎日の食事のなかで、副食としては欠かすことのできないものであった。漬物はオシンコ(お新香)とかコウコ(香香)と呼ばれ、日々の食事に登場するだけでなく、コジハンのお茶請けにもなった。夏はキュウリ、秋はナス、冬は白菜や大根など、季節ごとに新鮮な野菜を漬物にすることで、四季を通して食べることができた。大根のたくわん漬け、白菜漬け、キュウリの古漬けなどは、どの家庭でも酒樽や味噌樽など大型の木の樽を転用し大量に漬け込み、味噌部屋と呼ばれる小屋に保存した。樽の大きさは二斗樽から四斗樽ほどで、数や大きさは家によって違った。

図33 大根干し(亀梨)