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干瓢・芋がら

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 干瓢は夏に収穫した夕顔の実を剥いて乾燥させたものである。夕顔の実を包丁で輪切りにし、手鉋で剥いて一日天日で干した。夕立がくると、干瓢を急いで取り込まねばならないので大変だった。干瓢は汁の実や煮物にした。干瓢の卵とじの汁でうどんを食べるのが特に美味しかったという。
 芋がらは、秋の彼岸過ぎから一〇月頃に収穫したヤツガシラの茎の薄皮を剥いて干したものである。芋がらはムシロの上に並べて干し、少ししんなりしてきたら、竹串の先を割って藁を通し、茎の根元の方に通していく。太さを揃え一〇本で一束にし、藁を輪にして軒先に下げて乾燥させる。乾燥には細いもので一〇日、太いもので二〇日程かかる。乾燥した芋がらは、束のまま保存した。芋がらは油で炒めて砂糖醤油で味付けしたり、汁の実にしたりした。亀梨の農家では、里芋と芋がらの味噌汁を親子汁と呼びよく作ったという。