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イナゴの佃煮

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 秋、稲刈り前になると、田んぼで捕ったイナゴを佃煮にした。イナゴ捕りは子供の仕事で、学校に行く前に捕ったものだった。捕ったイナゴは手拭いを二本縫い合わせた袋に入れ、袋がいっぱいになると、風呂敷に包んで背負った。イナゴは茹でてから天日で充分乾燥させ、羽根や足を取り除いて調理する。乾燥した状態で保存することもできた。イナゴは、鍋で水少々と砂糖醤油で水気がなくなるまでじっくりと煮詰め、焦げないように乾煎りした。

図37 イナゴ捕り(大谷 阿久津次大氏提供)