野菜を長持ちさせる方法として、食品として加工せず、そのままの状態で冬場を乗り越えさせるため芋穴が掘られた。地面深く穴を掘り、野菜を埋けておくものである。穴に杉の板を敷いて、野菜を入れ、よく踏み、その上を杉の板や粗糠、藁などで覆い土をかける。簡素な屋根で囲う場合もある。芋を埋ける場合、種芋と食べる芋は別々に埋けておき、種芋はイモを蒔くときまで保存した。
また、饅頭や餅、日々の残り物などを短期間保存するため井戸が用いられた。井戸の中は夏でも涼しく、笊などに食べものを入れ、縄で井戸の中に吊るしておけば、傷みを防ぐことができた。