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農機具などの購入

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 農作業に欠かせない鍬や鎌などは宝積寺の菊地農具店や仁井田の小口農機具屋などで購入し、氏家の小野農機を始め四~五軒の農機具屋で馬耕や馬鍬を注文した。農具の修理には、天神坂の鍛冶屋などいくつかあった。また、金肥の購入は宝積寺の鈴木商店などから〆粕や石灰・化成肥料を買ったが、後に産業組合や農協から購入するようになる。作物の種は肥料屋や米屋が扱い、鈴木商店や中野商店・鈴木米屋から一部を買ったが、氏家や宇都宮より種屋が売りに回って来た。ハクサイ・大根・カンピョウ・キュウリ・ナスの種は買ったが、ネギやトマト・トウモロコシの種は自家製で賄ったものである。
 なお、市街地の年中行事は農村部に比べて、極めて少なかった。その中で、正月の初荷風景は商店街の華であった。運送業や肥料商が多い宝積寺駅前の西町や東町には、初荷の旗を立てた荷馬車や荷車がごった返し、みかんをまく光景は、活気に満ちた町並みを象徴していた。