アイスキャンディー売りは昭和四〇年頃まで、自転車でムラを回って売り歩いた。自転車に旗を立て、荷台にアイスキャンディーを入れる箱を付け、ハンドルにベルを付けて鳴らしながらやって来た。高根沢町出身の人が氏家でアイスキャンディーの卸元をしており、そこからアイスキャンディーとともに旗とベルを借り受け、近郷の小農家の人が売り歩いていた。なお、アイスキャンディーは当初四角いものであったが、後に丸棒のアイスキャンディーに変った。
この他、バナナ売りがリヤカーで宇都宮辺りから売りに来た。草刈りカゴのような蓋付きのカゴにバナナが入れられ、昭和一〇年頃まで来ていた。
また、昭和七年頃まで玄米パンを売り歩く人がいた。「玄米パンのほやほや」と声を掛けながら、自転車に旗を立てて、荷台に玄米パンを入れた箱を載せて回った。ほやほやとまでは行かなかったが、ほんのり暖かな玄米パンであった。