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道普請

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 道普請は、大字一斉に行われるもので、仕事の分担範囲はブラク単位とする場合が多い。時期は年一回のみ実施の場合は、春先の農閑期に行う所が多く、二回実施の場合は、春と晩秋の稲の脱穀調製終了後に行う。場所はムラ人が常時通る主要道路で、カドミチ(門道)と称する主要道路より個人宅への通路は各自の分担となった。各戸とも家長あるいは家長夫婦の参加が原則で、万一参加できない場合には、作業終了後の慰労会の費用の足しにと現金を出す場合もあった。道具はスコップ、ジョリン、マンノウなどで各自持参である。普請の内容は、馬車やトラックのわだちや雨で土砂が流された所を平らにする作業である。砂利が必要な場合には、鬼怒川や近くの川から採取し、戦後、役場がトラックを購入するとそのトラックを借りて運んだ。作業が終了すると、ブラク長の家に集まり、酒や肴で簡単な慰労をする所もあった。