ビューア該当ページ

〔相続〕

281 ~ 282 / 766ページ
 イエが安泰でしかも末永く続くことは誰しも願うことである。そのためには相続が絶え間無く、しかもスムーズに行われることが欠かせないことでもある。ところで、相続とは特定個人の死亡や隠居などによる財産や権限、地位、身分などを譲り渡すことをいう。明治期の旧民法では、戸主の死亡・隠居などによって起る財産、権限、身分などの譲渡を家督相続、家族員の死亡による財産の譲渡を遺産相続と呼び分けた。ただし庶民層では、家督相続・遺産相続の区別を必ずしも明確にせず、合せてイエの相続とすることが多かった。