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目次
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第四章 ムラの暮しとイエの暮し
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第二節 イエの暮し
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四 イエ集団
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(一)本家と分家
奉公人分家
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一方、非血縁分家は究めて稀であるが、大地主の間で見られた。ワカイシの中でも奉公先の目にかなった者が奉公先の門口近くに分家に出されたもので、奉公人分家を門とか門前百姓といった。前述した上高根沢のSY家は、戦前約二〇町歩程の水田を所有した大地主であり、当時は常時ワカイシを二・三人雇っていたといい、こうした奉公人の中から分家に出したイエ、つまり門前百姓が二軒ある。