シンセキ(親戚)をシンルイ(親類)ともいい、血縁分家のみならず婚姻によって生じた関係を含めたものである。親戚には近い親戚(濃い親戚ともいう)と遠い親戚(薄い親戚ともいう)とがあり、近い親戚は親子・兄弟・オジオバ・従兄弟くらいまでを指す。親戚付合いは一般に血筋の濃い近い親戚ほど強く、また、血筋の濃い親戚でも遠隔地に住む親戚とは付合いは弱くなる。
イエ同志の相互扶助は、葬式や結婚式、農作業、家の普請などでよく行われる。葬式や結婚式はブラクや班ごとに行われるが、親戚などとの相互扶助は、農作業や家の普請などにおいて見られる。親戚付合いの強さは、結婚式や葬式などの役割や祝儀・香典の額などに表わされ、付合いの強い親戚ほど重要な役割を担い、祝儀・香典の額が多くなる。本分家関係では分家したての関係が強く、また、婚姻によって生じた親戚関係では、嫁・婿の実家との関係が強い。なお、選挙の際には遠い親戚まで意識される。