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家の普請における手伝い

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 家の普請における手伝いには、地固め、タテマエ(建前)、屋根葺きなどがある。地固めは、心棒あるいはタコと称する道具で柱の立つ所をつき固める。建前は、大工が刻んだ柱や梁などを大工とともに組上げる作業である。一方、屋根葺きの手伝いは、庭にいて屋根材を整え屋根屋に手渡す役である。家の普請は、ブラクや班の者ばかりでなく、親戚縁者にも手伝いを依頼したものであり、またこの場合には、主人が各イエをまわり手伝いを依頼した。
 手伝いに来た人に対して、当家では昼飯や夕飯を振舞い、また建前終了後の祝いでは御馳走を振舞い、手拭や餅、建前に上がった五色の旗などを土産として配った。

図30 母屋を取りこわす手伝いの人々(花岡、昭和51年)