正月の年始回りは、正月三が日から一四日の松の内の間に行った。年始の品は手拭とか練羊羹その他菓子折の類である。訪れたイエでは、お節料理と酒を御馳走になった。本分家の間柄では、分家より先に本家に年始の挨拶に行くのが礼儀とされた。
盆の挨拶は、「線香あげに行く」といわれるように、互いに先祖の霊の焼香をするのが習しである。初盆のイエには、盆堤燈を贈り、また、中元として紙袋入りの砂糖や菓子折、乾麺などを持参した。焼香後は、ボタモチやウドンなどが振舞われた。
暮には「お歳暮」として近い親戚の間では、塩引(塩鮭)や袋入りの砂糖、乾麺などを互いに贈った。