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天王祭と夏祭り

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 疫病や災厄を防ぐために牛頭天王という疫神を祭ったのが天王社であり、神道では牛頭天王はスサノオノミコトとされ、祇園社の祭神とされた。祇園社は八坂神社・津島神社・八雲神社などと称した。天王社の祭りは、夏の疫病や害虫が起こりやすい時期に行われる。その時期を前にして、御輿を渡御して悪神や悪霊を送り出すのである。高根沢町では各地の鎮守社に天王社が祭られていたので、鎮守社ごとに天王祭が行われ、御輿の渡御が行われた。宝積寺上組・中組・下組では、かつては屋台を巡行させて天王祭を行ったが、現在は行われていない。宝積寺東町では、御輿を渡御し、現在でも屋台を巡行させて天王祭を行っている。しかし、宝積寺東町では、天王祭という神社の祭りから離れ、地域の人々が一体となって作り上げる夏祭りとなっている。仁井田では神社の天王祭ではなく、街の夏祭りとして屋台の巡行が行われている。

図35 天王祭の御輿(宝積寺)


図36 天王祭の御輿の神像(宝積寺)