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花岡の天祭

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 前述のように、花岡の天祭は一度は中断したが、平成九年からは再び八月の第一日曜日に行われるようになった。
 花岡の東下組の若衆は東会と称しており、二〇から五〇歳くらいの青年・壮年で構成され、平成一二年の会員数は三六名である。天祭保存会の会長・副会長が御行様になる。現在、祭りは日曜日の一日だけなので、ブッツケとブッキリは同日に行うことになる。午前一一時に神主と二人の御行様が天棚に上って祝詞を唱えて祓い、御行様が五穀をまく。御行様は水干を着た白丁の姿に烏帽子をかぶり、若衆は白の行衣を着る。次に御来迎の手水掛けの儀式を行い、天棚に囃子方が入り御来光のお囃子が演奏される。御来迎の行列を行うので、神主が天棚の前で若い衆を祓う。若衆は五行川の川水に足をつけて身を清め、天棚の回りを行列して回り、天棚の前にある水が入った樽を揺らして水を掛けあう。御来迎の行列は午前一一時と午後三時に行う。天棚は祭りが終わると分解して天棚小屋に収納したが、平成九年三月に白鳥神社境内に天祭棚格納庫が建設され、天棚を組み立てたまま収納できるようになった。

図57 天祭の御来迎(花岡)


図58 五行川での水行(花岡)


図59 天棚(花岡)