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大安寺

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 大安寺は桑窪の宿にあり、古くは摩尼山地蔵院と号したが、現在では桑窪山と号している。真言宗智山派で、本尊を不動明王とする。大同年間(八〇六~八一〇)に徳一上人が筑波山の大御堂から出発して東北地方を巡錫したとき、当地の「銭まき」の地で十一面観音像を刻み、観音堂に安置したのが大安寺の始まりであるという。銭まきの地は辰街道に面したところで、徳一上人が布教のために銭を人々に配ったことから銭まきといわれたという。「銭まき観音」と呼ばれる十一面観音立像は、平安時代末期の作とされる一木造り像である。ほかに軍荼利明王立像・吉祥天立像がある。