徳明寺は桑窪の宿にあり、浄土真宗本願寺派である。文政六年(一八二三)に桑窪村の荒廃を復興するために加賀藩から移住した人々(入百姓)の願いによって、諦住法師を開山として建立された。江戸築地の江戸御坊(築地本願寺)の出張道場であり、高柳山徳明寺と称し、本尊は阿弥陀如来画像であった。近辺に北陸からの入百姓が増え、浄土真宗の門徒が増えると木仏の本尊が切望され、嘉永五年(一八五二)に廃寺となった松山新田村(氏家町)の真言宗松見寺(正見寺)の本尊阿弥陀如来を移転して徳明寺の本尊とした。桑窪・飯室・上松山(氏家町)などの浄土真宗門徒が檀家となっている。