一五日の朝には、アズキガユ(小豆粥)を作って食べる習しがある。小豆粥を食べる前に、まず、一家の長が粥バシの束を粥の中に差しこみ、先端に小豆粥のついた粥バシ二本を半紙で包み紅白の水引で縛り、これを歳神棚などに供えたり、門松を立てた際の杭穴に刺しこんだり、堆肥の上などに刺したりする儀礼が行われる。なお栃木県内には、粥バシを残しておき、初雷の時に火をつけて庭先に放り投げると落雷にあわないとか、苗代しめの際に水口に突き立て豊作を祈ったりする所が多い。
ついで、家族そろってハラミバシで小豆粥を食べる。この時、どんなに熱くともフーフー吹くなといい、吹くと収穫の時に風が吹き、稲の収穫に災いするといわれた。また、小豆粥を食べると虫歯にならないともいう。
このように、小豆粥は、呪力を持った食べ物と認識された。食べた後のハラミバシは、天井裏や母屋後部の板壁のすきまに剌しこんだり、イロリで燃やしたりした。