二〇日の晩はエビスコ(恵比須講)となる。恵比須講は恵比須と大黒天とを祭るもので、ともにわが国にあっては代表的な福神で、商売繁盛の神であり作神である。
恵比須講は一月二〇日と一〇月二〇日の春秋二回行われ、春の恵比須講は恵比須神が出稼ぎに行く日だともいわれる。神棚の下に机や膳を置き、神棚から下した恵比須神と大黒天とを祭り、その前に一升ますを置き、中にお金や口を開けた財布を供える。この他、白米飯、ケンチン汁、尾頭つきの魚(一般にサンマが多いが裕福な家では鯛)、それにカケブナと称し、生きた鮒二匹をドンブリに入れて供える。こうした供え物を下げる際には、「何万両で買います」などと景気のよいことをいって下げるならわしとなっている。また、鮒は井戸の中に放した。