春分・秋分の日を中心として、その前後七日間を彼岸という。彼岸の初日を「彼岸の入り」といい、仏壇を清め、ボタモチ、あるいはアンコロモチ、菓子、果物などを供え、皆で食べたりした。中日には同じようにボタモチやアンコロモチを作り、それらを持参して墓に参り供えた。中には「中日にアンコロモチを仏壇に供えないと仏様が泣く」といった家もある。最終日は「彼岸の走り」といい、団子を作り墓に供えた。この団子をオカエリダンゴ(お帰り団子)とかハシリダンゴ(走り団子)などという。
ところで、「暑さ寒さも彼岸まで」といわれるように、春彼岸は冬の終り・春の到来を告げるものでもあり、彼岸すぎれば本格的に農作業が開始され農家は多忙となる。