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ボンダナ

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 祖霊を迎え祭る棚がボンダナ(盆棚)である。盆棚はハカナギが終わってから作りはじめ、一三日の午前中に完成させた。盆棚の設置場所は、広間や座敷の縁側に近い所とする場合が多い。構造は雨戸などを棚として脚をつけたもので、その上にマコモで編んだゴザを敷く。棚の両側には竹の鳥居型を立て、そこに縄を渡しコンブやそうめん、蓮の葉などを吊り下げた。棚の奥には十三仏を描いた掛軸を掛けたりする。一方、棚の上には先祖の位牌を並べ、その前にボンバナ(盆花・オミナエシ)、季節の果物、団子やボタモチ、五目飯、さらにはキュウリやナスで作った馬などを供える。なお、盆花をさした花瓶の水は、交換するものでないというならわしがある。こうして作った盆棚の前方両側には、親戚縁者から贈られた盆提灯を飾る。

図18 ボンダナ(太田)


図19 なす馬(太田)