盆棚が完成すると、いよいよ先祖の霊を迎える。これをムカエボン(迎え盆)という。大方は、墓地まで迎えに行くが、中には墓地に行かない家もあるという。
墓地まで迎えに行く場合は、盆棚作りが終わった午後行う。まず、母屋のアガリハナや座敷南の縁側に水を張ったタライや洗面器を用意する。やってきた先祖様が汚れた足を洗うためだという。ついで、提灯(戦前は麻がらのタイマツだったという)、線香、生花などを持参し、家族そろって墓地に向かう。墓地で線香をあげ、生花を供え、拝礼する。その後持参した提灯をともし、これを明かりに家に戻る。なお、墓に行かない家の場合でも、夕方、母屋の戸口で「迎え火」として提灯をともしたものであるという。