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ハツホサマ

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 高根沢町や芳賀町に特徴的な行事としてハツホサマ(初穂様)、あるいはイナホサマ(稲穂様)と呼ばれる行事がある。二百十日の頃、早稲の穂が出始めた時に、これを若衆がまだ青い穂を取り、それをワラボッチの上に突き立てて夜間区長宅に持って行き、初穂様を庭の真中に草刈り籠をかぶせ置く。朝、区長はその初穂様を見るや、その日の午後に初穂様として大字全体に農休みのフレ(連絡)を出す。各家では午後農作業を中断して休んだ。初穂様は刈り入れ前の農休みとして、若衆にとって貴重なものだった。