妊娠したことを、ハランダとかデキタといった。あるいはミモチともいったが、これはハラむより上品な言い方で、「あの人はミモチになった」というような言い方をした。
妊娠したときは、若いこともあって恥ずかしいという思いの方が強く、親には言い出しずらかったという。妊娠を知らせるのはまず夫に言い、それから姑、そのあと実家に知らせるというのが大方だったようである。
また、つわりのことをクセとかクセッキ、ハラミグセといい、つわりがひどいことを「クセが強い」ともいった。つわりは病気ではないので動いた方がお産が軽くすむといわれ、つらくても横になると起きられなくなるからと、出産間際まで家事や農作業をして働くのが普通であった。