センターでの出産費用は四、五万円くらいで病院で生むより安かったため、宇都宮市の方から来る人もいたという。
陣痛が始まるとセンターに入り、担当の助産婦が出産に立ち合ったが、このとき、自宅での出産同様に家から持ってきた十九夜様のロウソクをつける人がおり困ったという話もあった。産婦は出産後八日間はセンターで過ごしたが、センターには必要なものがすべてそろっており、その間の食事や洗濯の世話もしてくれた。なお、このセンターは昭和五八年に閉鎖された。
図3 母子健康センター(仁井田、平成5年)
母子健康センター