生まれたばかりの赤ん坊は使い古しの手拭いやボロ布などでくるんだり、麻の葉模様のウブギ(産着)を着せた。麻の葉模様は、麻のように丈夫にまっすぐ育つといって特に好んで産着に使用された模様である。太田ではこうした着物の布などは同じ地区の鈴木商店で購入したという。
また、赤ん坊のオシメは妊娠中に自分で用意したが、浴衣が古くなったものは柔らかくてちょうどよかったので、浴衣をこわしてオシメにすることが多かった。オシメは三枚一組で、一〇組くらいは作っておいた。なお、オシメには、柿の木の下に干してはいけないという俗信もあった。