赤ん坊の誕生した年が、男親なら二五歳か四二歳、女親なら一九歳か三三歳の厄年にあたるときは、生まれた子どもはヤクッコ(厄っ子)といってよくないとされ、こうしたときには捨て子を行なった。
捨て子は、生後七日目に産着を被せた赤ん坊を大きめのタワラボッチの上に乗せ、道の辻に捨てるまねをした。赤ん坊は、前もって頼んでおいた産婆さんや近所の女性が拾って、「赤ん坊が泣いていましたので拾ってきました。この家で育ててください」といって家に連れてきた。このとき拾ってくれた人は、必ずお七夜に招待したという。
〔捨て子〕