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〔食い初め〕

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 食い初めは、女児は生後一〇〇日から一一〇日目、男児は一一〇日から一二〇日目の間に行なうとか、男女とも生後一〇〇日目か一二〇日目に行なうとかいろいろいわれている。この日は、お膳に尾頭付きの魚、赤飯、お煮しめ、吸い物などのお膳を用意し、そこにはきれいに洗った石もそえた。石は、どんな固いものでも食べられる丈夫な歯になるようにと、赤ん坊の口に触れて食べさせるまねをした。また、ご飯は一粒でも赤ん坊の口に入れて食べさせた。このとき使用する箸は桑や杉などで作るといい、箸は食い初めが終わると紅白の水引をかけ、「食い初め」と子の名前を書いた半紙にくるみ、鎮守様の格子戸にくくりつけてきた。食い初めは家族だけで行なったが、お祝いとして炊いた赤飯を嫁の実家にも届けたという。

図5 格子戸にくくりつけられた食い初めの箸(太田 津島神社)