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〔初節句〕

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 赤ん坊が初めて迎える節句は、初節句といってお祝いをした。男の子は五月節句に、嫁の実家から鯉のぼりが贈られ、近い親戚からも小さな鯉のぼりや武者絵などが贈られた。嫁の実家から贈られた大きな鯉のぼりを筆頭に、贈られた鯉のぼりは一ケ月前くらいからすべてを庭にあげて飾った。このときお祝いをしてもらったところには、お礼として家で作った柏餅を重箱につめて配るのが慣例になっており、重箱には一五から二五個くらいの餅が入れられたので、四升から五升と大量に柏餅を作らねばならず、これが大変な作業だったという。また、女の子は三月節句に雛人形が贈られ、このときは草餅と白い餅を作ってお礼として配った。

図7 鯉のぼり(石末)