見合いはたいてい女性側の家で行われた。先方の仲人が訪ねていって両親と見合いの日取りを相談したが、大安など良い日を選んで決めた。
当日は、仲人が男性を連れて女性側の家へ訪ねていき、女性の方は普段より良い着物を着て待っていた。見合いでは、本人同志が話しをするということはほとんどなく、お互いの顔を見るのがやっとだったという。このとき女性は見合い相手にお茶を出すが、男性がこのお茶を飲むと相手を気に入ったという合図で、口をつけないと駄目であるという合図であったという。見合いが終わって男性側が帰路につくと、女性側の仲人が女性の家の意見を聞き、良い結果だとすぐに男の方を追いかけてその旨の話をした。しかし、反対にそうでないときは少し間をおき、「方位が悪い」とか「年まわりが悪い」とかいう理由をつけて断ったという。
縁談の成立は最終的には親に決定権があり、本人の意志というより互いの親が決めるという場合がほとんどだったという。そのため、親同志が前もって決めてしまい、見合いもしないでいきなり結婚するという場合も少なくなかったようである。