現在と違い見合い結婚がほとんどであった時代に、恋愛をきっかけとして結婚するというケースは大変珍しかった。恋愛結婚はナレアイと呼ばれ、「あの人はナレアイなんだって」というように、周囲でいわれるナレアイという呼び方には、それをからかうようなあまり良くないことという意味合いが含まれていた。
これには、結婚はあくまでも家と家との結びつきであるという、結婚に対するかつての人々の意識が反映されており、ナレアイの場合には、一番重要視されていた家同士のつりあいがうまくいかないことが多かったことから、社会的にこれを敬遠する雰囲気があったのではないかと思われる。