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帳場

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 帳場は葬式の中心となって全体を取りしきる重要な役割で、昭和四〇年代くらいまでは班の中でも有力者がこの任に当っていた。それ以降は、班の班長、副班長や付き合いの濃い両隣の人が二人で帳場を担当した。帳場は、香典の受け付けやお返しを渡したり、葬儀にかかわるお金全般の管理、葬儀に必要なものの購入や手配の支持などをした。
 帳場に当たった人は当家から離れず家の中にいて、施主と相談しながら葬儀のさまざまな指示を出した。また、朝早くから当家に出向いて、当家の家族の朝食の用意などさまざまな世話もしたという。葬儀で不都合なことがあったときにも、その苦情は全て帳場のところにきたものだった。