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死装束

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 死者に着せるシニショウゾク(死装束)は、班の女性、特に年配の人達が皆で一つの布をひっぱりあいながら縫った。そのため、普段縫い物をするときに、一つのものを何人もで縫うことを忌むという俗信がある。死者の身内のものが一緒に混じって縫うということもあった。使う布は白い晒しの布で、着物・オイズル・ズダブクロ・テッコウ・キャハン・布団を縫ったが、縫うときには返し縫いや、玉結びはしてはいけないとされ、すぐにほどけるように縫うものだといった。
 布団は、棺桶の大きさに合わせて四角く切って縫い、中には薄く綿を入れて作ったものである。また、ズダブクロができあがると、半紙に「千両」とか「五百両」とか書いた紙のお金とお米を入れて肩にたすきがけにした。なお、このとき使用したはさみと針は、一週間は使ってはいけないとされた。