野辺送りのため棺を家から外に出すときは、玄関からではなく棺が置いてあった座敷から縁側、そして庭へと運びだした。棺を出して葬式の人がいなくなった座敷では、クサトリカゴやメカイカゴなどの大きさのよい籠を使って、部屋の隅から隅まで四方へ転がすカゴコロガシを行った。このとき籠は、箒で転がすというところもある。転がした籠は、最後には必ず外へ掃き出すように外に向かって転がしたり、実際に外へ転がして落とすこともあった。カゴコロガシをするのは組の女性、あるいは男性というところもある。
図12 カゴコロガシ(石末)