野辺送りが終って家に戻ってくると、葬式に関わった人たちを集め、神主を呼んで拝んでもらった。これをヒハライといった。部屋の四隅に竹を立て、そこに荒縄を渡し、荒縄の四辺にはヘイソクを二枚ずつ下げ、そうして囲った中に皆が入って北向きに座った。また、一番後ろには机を用意し、そこには清めに使う酒、塩、かつお節を並べた。特に床番の四人は神主に近い一番後ろに座り、神主が用意した首にかけるヘイソクを胸の前に下げた。神主は座っている人達の一番後ろに立ってヘイソクで祓い、その背に向かって塩・かつお節・のりを投げて清めをした。そのあと、神主は吸い物椀に酒を注いで床番に回し飲みさせ、その他の人たちは各自おちょこで酒を飲んでヒハライは終了した。
ヒハライが終了すると、神棚に下げておいた半紙をはずすことができ、供えものの上げ下げも自由になった。また、仏壇の扉もヒハライの後には開けることができた。なお、ヒハライで使った竹や荒縄は当家がまとめて燃やして処分した。