ヒハライが終わって参列者も帰ると、当家の遺族たちは葬儀を手伝ってくれた人達を魚などのナマグサモノが入った膳や酒でもてなした。
また、昭和四〇年代くらいまではお礼に割烹着や下駄、お金が渡された。これは死者が親の場合はその子が用意するもので、一人四〇〇円から五〇〇円が相場であり、現金を帳場に一括で渡して均等に分けて配るということもあった。昭和三〇年代中頃から新生活運動により、こうしたお礼は廃止する方向へ向かっていたが、それも一〇年と続かず、建前では廃止といっても用意する家がほとんどだったという。
お礼