葬儀が終わってから初めて迎える盆を初盆といった。初盆には盆棚を作ってそこに仏壇から出した位牌を飾り、仏様にだけ作った団子などを供えた。また、親族からは家紋入りの提灯が贈られた。贈られた提灯は、提灯の下にフサがついた吊り下げる形のもので、天井に釘を打ってこれをいくつも飾った。お盆が終わっても二四日の盂蘭盆さままでは、親族から贈られた提灯の中で一番立派なものを一つ選び、軒下に吊るしておいた。
また、この日に線香をあげてくれる人たちが家を訪れるので、季節柄アユを釣ってきたりしてごちそうを振る舞った。
図17 盆棚と盆提灯(花岡 福田正雄氏提供、年代不詳)