三十三回忌は死者の供養の一区切りになる法要で、このときも親族が集まり墓参りをするが、立てる塔婆はスギトウバ(杉塔婆)、別名ワカレトウバ(別れ塔婆)といい、葉がついたままの生きた杉の木を切ってきて幹の部分を少し削り、そこに戒名を書いたものだった。現在では杉がなかなか手に入らないので、塔婆に杉の葉を結わえたものを立てることもある。この塔婆は跡取りが墓地の埋葬したあたりに立てた。この供養をもって、死者への一通りの供養が終わるとされている。つまり、個々の霊の供養は終り、その家の先祖の霊になったことを意味したものである。