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由来・伝承

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 高根沢町伏久のお囃子は、小松流五段囃子といい「伏久祭り囃子保存会」が伝えている。このお囃子の歴史は高根沢町内でも古く江戸末期の文久年間(一八六一~一八六三)の上演記録がある。伏久のお囃子は宇都宮市にあった宮神楽の影響を受けて出来た。
 高根沢町内の石末や、宇都宮市・大田原市・南那須町藤田・茂木町などのお祭りに演奏を頼まれて出掛けて行き、各地の屋台に乗ってお囃子を行った。また喜連川町や烏山町下境にはお囃子を教え伝えた。
 昭和三〇年代ごろまでは、七月の農作業の田草取りの時期になると夜にお囃子の練習が始まる。すると近隣の村の若衆達はその囃子の音を聞きつけて盗み聞きに大勢がやって来たという。
 このように盛大であった伏久のお囃子も、昭和四〇年代に入り一時休止した時代があったが、その後昔教えた喜連川町の人に笛を習い戻して復活し昭和五三年に伏久祭り囃子保存会を結成した。保存会の会員数は現在一三名である。

図14 伏久祭り囃子保存会


図15 伏久祭り囃子保存会による演奏