宝積寺台地上のJR宇都宮線(東北本線)の東側一帯の市街地を通称東町と呼び、南・中・北の三区からなる。東町南区は新開の光陽台にまで及ぶ。東町中区は旧烏山街道に沿って、宝積寺駅開業とともに発達した市街地で、高根沢町の中核地域であり東の天神坂へと町並みが続いている。さらに北部のJR烏山線線路あたりまでが東町北区である。
この南・中・北の三区にはそれぞれ花屋台が一台ずつあり、南区、中区には付随するお囃子がある。ただし北区の屋台には、石末宿のお囃子会が乗り、演奏している。現在は七月末の日曜日にスーパーの駐車場で、屋台が勢揃いして夏祭りが行われ、お囃子の競演のブッツケが行われる。この時に演奏されるお囃子をブンヌキといい、太鼓が主な曲で笛・鉦はまれに入り太鼓が打ち続けられる激しい曲である。
宝積寺の市街地は東北本線の宝積寺駅開業後に駅の正面口である西口から発展した。鉄道線路の西側の現在は西町と呼ばれる一帯である。『東町の歩み』によれば、昭和三年に東町で屋台を造った時に西町でも屋台が造られたと記録されているが、三〇年程前に解体された。それまでは宝積寺中組などのお囃子を頼み屋台を引き回した。その後御輿の渡御に変わりお囃子は録音テープが用いられている。