人々が日常の生活の中で自然発生的に生まれ自分達で歌い伝えてきた民俗歌謡は、毎日の厳しい労働の中で作業の能率を高めたり、疲労の軽減が図られた労働歌・作業歌を主としたものである。ある時には農作物の豊かな実りの願いをこめて、また作業の安全とその後の人々の暮らしの繁栄を祈りさらに喜びや感謝の心を敬虔に歌って、心身を癒し生きる活力を得ることが出来た。
民俗歌謡つまり民謡は生活の歌であり大地に根ざしたふるさとの歌である。高根沢町の人々も農作業歌の田植え歌や、盆踊り歌・童歌等々を幾世代にもわたり、四季折々の日常の暮らしの中で歌い継ぎ育んできた。それらは生きる糧であり生きるあかしでもある。