〽盆の十六日 踊らぬ奴は
木仏 金仏 石ぼとけ
揃った揃ったよ 踊り子がそろった
稲の 出穂より よく揃った
声はすれども 姿はみえず
やぶにうぐいす 声ばかり
石末よいとこだよ 裏竹やぶで
前はたんぼで みはらかし
中阿久津よいとこだよ 田圃の中で
鬼怒の流れを みて暮す
踊おどるなら しなよくおどれ
しなのよい子は 嫁にとる
咲いた桜に なぜ駒つなぐ
駒が勇めば 花が散る
おんどとる子が 橋からおちて
流れ流れて おんどとる
阿久津田圃で なくきりぎりす
思いきりきり なきしめる
姉さんしまだに 蝶々がとまる
とまる筈だよ 花ざかり
歌へ歌へと うたせめられて
歌は出ないで 汗ばかり
泣くななげくな この世は車
命さへありゃ めぐり合う
盆が来たのに なぜ足袋はかぬ
はけば よごれるしかられる
思い出しては 写真をながめ
なぜか写真は 物いわぬ
(『郷土教育資料』より)
盆踊り歌
〽ハァーアーエ 嫁に取るなら アヨイヨイ
大家の娘 仕事上手で ヤレサ 器量良し
ハァーアーエ いやだ やだやだ
畑の芋は かんぶり ふりふり
ヤレサヨ 子ができた
ハァーアーエ 盆の十六日 踊らぬ奴は
木仏 金仏 ヤレサヨ石仏
(『栃木県の民謡』より)
図44 夏祭りでの盆踊り(石末 町民広場)