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 昭和四十九年、市制施行二十周年を迎え、その記念として、「宝塚市史」第一巻を刊行いたしました。
 宝塚市は、重畳する北摂の山なみと、溪流を集めて南流する武庫川とにはぐくまれた、おだやかな農山村でしたが、阪神地帯の近代化にともない、今や人口十六万になろうとしています。
 阪神都市圏の住宅のまちとして、急激に変ぼうしていく、わが郷土宝塚市の歩んできた足あとを記録しておくことは、今日の繁栄をもたらした先人に、またより豊かで平和な明日を創造する人達に対する、わたしたちの責務であろうと思います。
 幸い、この市史編集事業をはじめるにあたって、市議会のご賛同と、権威ある執筆者をお迎えすることができました。
 以来三年、調査・執筆にあたられました先生方のご労苦の結晶として、ここに「宝塚市史」の誕生をみることができました。この事業に寄せられた市民の皆様ならびに、その間数かずの貴重な資料をご提供下さいました方がたや、各方面のご協力に厚くお礼申し上げます。
 おわりに、この「宝塚市史」が市民の皆様はもちろんのこと、広く各界に迎えられて、今日の、明日への指針として永くご愛読いただけることを願っています。
  昭和五十年一月三十一日
 
              宝塚市長 友金信雄